STEP1 ニーズ調査独学

ニーズ⑤ R6製図「大学」要求室の大きさ 講義室編

 

ごぶごぶ
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今回は、要求室の大きさを決めます

1.教室ー講義・演習・実験・実習・実技の違い

大学設置基準より

教室は、学科または課程に応じ、講義、演習、実験、実習または実技を行うのに必要な種類と数を備えるものとする。

大学設置基準では、「必要な種類と数を備える」とあります。

「必要な種類」を備えるためには、各教室の違いを理解しておく必要があります。

各教室の違いは、以下の2つの着目点から考える必要があります。

・利用形態

・学年毎の利用率

まずは、1つ目の利用形態」に着目して考えてみましょう!

各要求室の利用形態に着目し場合、以下の3つに分けてみました。

【講義室】

教授が教壇に立ち、学生が聴講する室。いわゆる座学です。

【演習室】

演習という意味で言えば、教員と少人数の学生からなるグループワークを行う、いわゆるゼミナールのことを指します。だけれど、演習(ゼミ)のための室は「ゼミ室」と呼ばれ、実際に「演習室」と呼ばれているのは、大学によって様々ですが、PC室を指している傾向が高いようです。

【実験・実習・実技室】

大学の学部の系統のよって、これもまた様々で、特に決まったルールで呼び方を決めてはいないようですが、理工学系は実験室、医療・教育学系は実習室、芸術・スポーツ学系が実技室を多く備えています。人文学系で実験・実習・実技の使用用途が必須でないためか、備える室数は少ないようです。また、研究室と呼ばれる室は、学生が利用する研究室と教員の研究室の2通りあり、少々分かりずらいですが、研究室も教室の意味合いになります。

次に、2つ目の「学年毎の利用率」に着目して考えてみましょう!

各要求室は、「学年による利用ゾーン分け」ともなっています。

【講義室】

主に1・2年生が利用する。一部の3年生や4年生も利用する。

【演習室】

ゼミ室は、3年生と4年生が利用する。

PC室は、全学年が利用する。

【実験・実習・実技室】

大学により、さまざまで、特定できない。

2.講義室の大きさ

講義室をすべての学年で利用するかというと、そうではありません。話がそれてしまいますが、少しだけ遠回りして、学生の事情を考えてみましょう~。

下の棒グラフは、文科省から拝借してきた資料です。学年ごとの履修科目状況になっています。

大学生の履修登録科目の状況の画像

学年ごとの履修科目状況を見ると、1・2年次が多く、3年次・4年次になるにつれて、段々と少なくなってきています。これは、3年生から就職活動が始まり忙しくなるので、1・2年生の時に多く単位をとっておくので、必然的にそうならざるを得ないからでしょう。

また、一般的に、大学の3年生からは、各教授のゼミに所属し、少人数グループでの研究を行うようになっています。表向きは学問の探求ですが、ゼミに所属することで、就職活動に有利に働くというのもあるみたいです。

このように学年によって、学生の大学生活のスタイルが変わっていくので、【講義室】は1・2年生、【ゼミ室】は3・4年生という風になり、要求室は「学年毎の利用率」によるゾーン分けができそうですね。

大学4年間のスケジュールについては、下のサイトが参考になります。

前回のブログで、人文学系の学部で3階建ては、学生の人数は320名~400名になるとお伝えしました。

講義室を利用するのは1・2年生と一部の3・4年生になります。そうすると、講義室の同時利用人数は、200~250名程度を想定しておけば、支障がないように思われます。

講義室は、大・中・小の講義室を用意している大学が多いようです。

基本単位を小講義室50㎡・40名として、大・中・小の講義室に収容する人数を以下のように仮設定してみました。

大会議室は、一般公開講座や、試験会場に貸出したりすることもできる大きさですよね。

大講義室=200名

中講義室=80名

小講義室=40名

大講義室は、1つあれば良いでしょうが、中・小講義室はいくつあれば良いのでしょうか?

単純に利用人数が200~250名であれば、中x1~2+小x3~5 程あれば事足りますが、実はそうではありません。

稼働率というのも、計算に入れなければなりません。

講義室の稼働率は、下図のとおり結構ばらつきがあるようです。ここでは、便宜上とりあえず50%としておきます。

大学の講義室の稼働率のグラフの画像

稼働率と利用人数から、勘案していくと、以下のようになります。

・中講義室80名x2+小講義室40名x9

・中講義室80名x3+小講義室40名x7

3.プランニング時の講義室の大きさ

上記の講義室を図面に落としていくと、大体1フロアいっぱい必要になってきます。ですので、個人的には、もう少し、少なくても良いのかなとは感じます。もしくは、1階に大会議室に加えて中・小講義室を持ってきて、一般に貸出するという手もありますよね。

いずれにせよ、利用人数250名を頭にいれつつ、最小、最大を調整しながらプランニングすると良いかもしれませんね。

プランニング時の講義室の大きさ

最小→【中講義室80名x1~2+小会議室x3~5】

最大→【中講義室80名x2~3+小会議室x7~9】

長くなってしまいましたので、ほかの教室の大きさについては、また次回にします。

良かったら、次のブログも覗いて見てくださいね~。