STEP1 ニーズ調査独学

ニーズ⑥ R6製図「大学」要求室の大きさ 演習室編

ごぶごぶ
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今回は、演習室の大きさを決めていきます!

1.演習室とは

「教室は、学科または課程に応じ、講義、演習、実験、実習または実技を行うのに必要な種類と数を備えるものとする。」と、大学設置基準に明記されています。

 教室は、「講義室」、「演習室」、「実験室・実習室・実技室」の3つのタイプに分けることができます。詳細は前回のブログを参照してくださいね。

 さて、今回は「演習室」の大きさを決めていきたいと思います。その前に、「演習室」とは、どんな用途の要求室になるのか、定義を再確認したいと思います。

 まず、「演習」とは、どういう意味なのか?について、考えていきたいと思います。

大学での「演習」と言えば、ゼミナールのことを指しています。大半の大学生は、3年次になると、教授のゼミに入り、少人数グループで研究活動を行う能動的な学習スタイルをとります。教授の指導の下、自ら研究活動を行うことを「演習」と呼ぶようです。

 演習(ゼミ)のための要求室は「ゼミ室」と呼ばれていることが多いようです。大学によって様々のようですが、実際に「演習室」として呼ばれているのは、PC室を指していることが多いようです。

 ちょっと紛らわしいですね。ここでは、PC室の意味の「演習室」には触れません。いわゆる「ゼミ室」の方の「演習室」について、取り上げますね。

2.演習室(ゼミ室)の大きさは?

ゼミ室の大きさは、ゼミのグループに人数が分かれば、その大きさを決めることができます。

大学の3年生と4年生は、教授のゼミに所属します。

このブログでは、下記のように設定しています。詳しくは、過去のブログを参照してくださいね。

もちろん、これは、わたしがこうかな~という感じで「当たりを付けている」だけなので、皆さんも自身で考えて設定してみてください。

・大学の学部→人文学系 

・生徒数→1学年80名~100名

・教員数→17~21名

 ゼミに所属するのは、3年生と4年生ですので、生徒数は、【80名x2学年=160名】~【100名x2学年=200名】になります。

 それに対して、教員の数は【17~21名】です。そのうち専属で大学に所属している教授は3/4で【13~16名】になります。

 単純に【生徒数÷教授】とすると、ゼミのグループの人数は、10~15名ほどになります。実際には、人気のあるなしがあるようで、ゼミのグループが、30人もいるとか、自分一人しかいない、、なんてこともあるようです。教授とワンツーマン、、怖いですね。

 一級建築士の製図試験での想定としては、10~15名くらいで支障がないように思います。

 演習室(ゼミ室)は、プレゼンテーションやデスカッションを行うので、講義室のような形態ではなく、会議室のような形態をとる必要があります。ですので、大体20㎡~30㎡くらいが妥当かな~と、わたしは思います。

 

3.プランニング時のゼミ室のボリューム感

 何度も言いますが、このブログでは、大学の学部を人文学系に絞って話を進めています。

 理工学部や医療系の学部などは、その学問の性質上、学生のための研究室や実験室などを用意してあげる必要があり、学部・学科によってあまりにも性質が違いすぎるために、要求室の想定対応の難易度が上がってきます。

 わたしが、人文学系に絞って「当たりを付けている」一つの理由として、人文学系以外はイレギュラー要素が大きいので本試験の主題としては、ちょっとどうかなと疑問に思っているからです。絶対に人文学系が出題されるという確証はないので、本当は各学部の傾向と対策を練るべきですが、時間的制約の中、全てをこなすのはなかなか難しいですよね。。。

 ということで、このブログでは人文学系に絞って、プランニング時のゼミ室のボリューム感をつかんでいきます。

 先に言ったとおり、ゼミの人数は10~15名、ゼミ室は会議室タイプで20㎡~30㎡程度と想定します。

 では、ゼミ室は、いくつ用意すれば良いのでしょうか?

 教授の人数が13~16名なので、ゼミのグループ数も、13~16になります。ということは、ゼミ室も13~16室を用意すれば良いのでしょうか?

 ゼミ室では、プレゼンテーションやデスカッションを行うわけですよね? 毎日、毎日、一日中、そんなことをやっていたら疲れてしまいます。必要な時にだけ、ゼミ室は使うわけですから、ゼミグループ全数の数を用意することはなさそうです。

 例えば、1つのゼミグループが週1で、ゼミ室を利用するとします。ゼミのグループ数は16グループと想定すれば、【16x週1=16回】、【16回÷平日5=3.2室】になり、ゼミ室は4室必要になります。

 さらに、一日中ゼミ室を使うわけではなく、2~3時間程度を使用するとなれば、ゼミ室は4回転以上は稼働できます。ということは、ゼミのグループ数が16グループの場合、ゼミ室は最低でも1室あれば、事足りるようになります。

 実際には、学生は研究するための自習スペース等も必要でしょうし、プレゼンテーションやデスカッション以外の用途でゼミ室を使用したいこともあるかと思います。なので、多すぎてもスペースの無駄ですが、1室では、少なすぎるように思います。個人的には、学生さんのことを思えば、プランニング時にゼミ室を入れるスペースがあれば、できるだけ優先的に突っ込んであげたいかな~と思います。

ということで、「演習室(ゼミ室)」のボリューム感は、以下のように、想定されてみてはいかがでしょうか?

・最低でも1室x20㎡~30㎡

・可能な限り入れられる室数x20㎡~30㎡

また、プランニング時には、できるだけ教授の研究室と同じフロアにグルーピングしてあげた方が、良いかな~とも思います。大講義室の隣にゼミ室が並んでいるのって、ちょっと変な感じがしませんか?

今回は、「演習室」の大きさを想定してみました。

次回は、残る「実験室・実習室・実技室」について取り上げたいと思います。

「講義室」の大きさについては、前回のブログを覗いてみてください。

それでは、また。