大学の要求室は、以下のようなものがあります。
教室(講義・演習・実験・実習・実技)
交流スペース
研究室
共同研究室

今回は、実験室・実習室・実技室の大きさを決めていきます。
1.実験室・実習室・実技室とは
「教室は、学科または課程に応じ、講義、演習、実験、実習または実技を行うのに必要な種類と数を備えるものとする。」と、大学設置基準に明記されています。
教室は、「講義室」、「演習室」、「実験室・実習室・実技室」の3つのタイプに分けることができます。詳細は前々回のブログを参照してくださいね。
さて、今回は「実験室・実習室・実技室」の大きさを決めていきたいと思います。その前に、「実験室・実習室・実技室」とは、どんな用途の要求室になるのか、定義を再確認したいと思います。
大学によって、「実験室・実習室・実技室」が何を指しているのかは、特に決まったルールで呼び方を決めてはいないようですが、理工学系は実験室、医療・教育学系は実習室、芸術・スポーツ学系が実技室を多く備えています。人文学系で実験・実習・実技の使用用途が必須でないためか、備える室数は少ないようです。
少々、乱暴ですが、このブログでは人文学系に絞って「当たりを付けている」ので、他の学部系については触れていません。
そもそも、大学は文部科学省の「大学設置基準」に従って計画し、文部科学大臣の認可を取らねば、建てることができません。
「大学設置基準」においては、学部毎の校舎面積の規定があり、人文学系以外の学部は総じて校舎面積が4000㎡超えになります。そうすると、必然的に5階建て以上にする必要があります。かつ、理工学系・医療系・芸術・スポーツ系は、その学部の性質の傾向に沿う「実験・実習・実技」の各要求室を想定する必要があります。
人文学系は、校舎面積の設定が3000㎡前後とすることができるので、3階建てが可能ですし、「実験・実習・実技」を想定する必要性が薄いため、偏りの少ない標準的なものになります。資格試験としては、このような問題の方が出しやすいのではないかな~と、わたしは思います。
実際の本試験では、どの学部が出るのかは、予想などできません。ですので、本当は、人文学系に絞るのではなく、全学部の傾向と対策を練っておきたいところです。時間的制約さえなければ、そうしたいところです。
とりあえずは、「理工学系は実験室、医療・教育学系は実習室、芸術・スポーツ学系が実技室」になるというイメージを頭に入れておいてくださいね。そうすれば、本試験の当日に、「全く知らないものが出てしまった」という心理的ダメージは少なくて済むと思います。
2.実験室・実習室・実技室の大きさは?(※PC室含む)
実験室、実習室、実技室、要求室の呼び方はどうあれ、1つくらいは、本試験に出てきそうですね。
大きさは、どのくらいを想定しておけば良いのでしょうか?
例えば、実験室はどうでしょうか?
実験室の「しつらえ」として、実験台の机を学生が4人で囲むようなイメージは、中学校・高校の時の理科室と一緒です。思い出してください、実験台の机の脇にはそれぞれ流しがありましたよね。それに準備室が隣接していたはずです。広さ的には、普通の教室の2倍くらいはあったはずです。
実験室であれば、80㎡~150㎡ほど、想定しておけば支障がないかなと、わたしは思います。
実例集や、ネットで大学の平面図などを見ると、必ずPC室が用意されています。大学によっては「演習室」だったり、「情報処理室」、「CALL室」と呼んでいるようです。広義の意味で、はたして「実験・実習・実技」の分類になるかどうかは、よくわかりませんが、今の時代はパソコンが利用できる自習室を学生に用意するのは、大学ではデフォルトのようです。
PC室の大きさは、どのくらいを想定しておけば良いのでしょうか?
全学生数のパソコン台数を用意している大学もあるようです。そうすると、かなり大きいスペースを用意してあげる必要がありますよね。本試験の問題で、そのくらいのPC室を要求室として配置するのは、ちょっと無理かな~と思います。
PC室であれば、80㎡~150㎡ほど、想定しておけば支障がないかなと、わたしは思います。
3.プランニング時のボリューム感
実験室・実習室・実技室、それにPC室のプランニング時のボリューム感は、どのくらいになるのでしょうか?
先に述べた内容から言っても、本試験での予想が難しい要求室なのが感じ取れると思います。とりあえず、以下のようなボリューム感をもっておいて、臨機応変に対応するようにするしかありません。
・実験室、実習室、実技室のうちのどれか一室 → 80㎡~150㎡
・PC室 → 80㎡~150㎡
配置としては、講義室のあるフロアに置いてあげるといいかなと思います。
講義室は、主に1年生・2年生が利用する要求室になります。実験室・実習室・実技室・PC室は、全学生が利用しそうです。教授が利用する研究室などと同じフロアよりも、利用者同線を考えれば、講義室のあるフロアの方が自然ですよね。
それと、実験室・実習室・実技室は頻繁に利用する要求室ではないと思います。(人文学系に限ってですが)
なので、階段から遠い場所や、北側などの、ちょっと可哀そうな位置が良いかなと思います。
PC室は、学生が利用しやすい位置がよいですよね。
配置の優先順位としては、利便性の高い位置から、講義室→PC室→実験・実習・実技室とするのは、どうでしょうか? 利便性が高い位置とは、階段から近いとか、EVから近いとか、南向きのいい場所とかのことです。
さて、今回、前回、前々回と、学生が利用する教室を3つに分類して、ボリューム感を想定してきました。3つの分類とは「講義室」・「演習室(ゼミ室)」・「実験・実習・実技室+PC室」のことです。
これらのボリューム感が想定できると、かなりプランニングが楽になります。実際に、CADでサクッと、1フロア1000㎡x3フロアに落とし込んでみてください。落とし込むだけなので、10分もかかりません。落とし込む時には、とりあえず、トイレで1コマ、階段+EVで1コマ、廊下を縦横に2mくらいつけてみてくださいね。位置はどこだっていいです。ボリュームを見るだけですので。。
まだ、ボリューム的には余裕がありますよね?
ということは、まだまだ必要な要求室があるということです。どんな要求室があるのでしょう?
次回は、「交流スペース」を見ていきたいところですが、ちょっとこれは飛ばしてしまって、教員が利用する「研究室」について触れていきたいと思います。
仕事や私生活で、時間がない、深夜まで眠い目をこすって、しんどい思いをしてますよね。。。
でも、みんな同じです。自分一人だけ苦しいわけじゃありません。今は頑張りどころです!!
がんばれ~~~!!