STEP1 ニーズ調査独学

ニーズ⑧ R6製図「大学」要求室の大きさ 研究室編

 

ごぶごぶ
ごぶごぶ

今回は、研究室の大きさを決めます

1.研究室とは

研究室は、基幹教員および専ら当該大学の教育研究に従事する教員に対しては必ず備えるものとする。」と、大学設置基準に明記されています。

 つまり、研究室は、教員が利用する要求室ということですね。教員が研究をするために利用するのが「研究室」になります。文字通りのそのまんまの意味ですね~。

 では、大学設置基準にある「教育研究に従事する教員」というのは、具体的には一体誰のことなのでしょう?それについては、学校教育法で定義されており、教授、准教授、助教、助手、講師を指しています。

(学校教育法より)

 教授は、専攻分野について、教育上、研究上または実務上の優れた知識、能力および実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する。

 准教授は、専攻分野について、教育上、研究上または実務上の優れた知識、能力および実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する。

 助教は、専攻分野について、教育上、研究上または実務上知識および能力を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する。

 助手は、その所属する組織における教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する。

 講師は、教授又は准教授に準ずる職務に従事する。

 教授・准教授・助教は、いずれも「学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する」とありますので「教育研究に従事する教員」に該当する教員になります。

 ですが、助手や講師はどうなんでしょう?助手は、「教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する」とありますので、サポート的役割の色が濃いですよね。講師というと、常勤・非常勤あるのでしょうが、大学で個人研究室がもてるのでしょうか?どちらかというと、講師控室等を用意してあげるべきなような気がしなくもありません。講師も研究室が持てるようです。このへんのことは、各大学によって様々になるかと思いますので、推測しても意味がありません。

 大学は、教育機関と研究機関の2つの面を持っています。学生のための要求室が、教育機関としての一面を表すとしたら、教員のための要求室である「研究室」は、研究機関の一面を表していると言えます。

 つまり、大学が研究機関として機能するためには、教授等が研究をし成果を出す必要がある。そのためには、教員が研究できる「研究室」は、大学には必須で用意するべき要求室と言えそうですね。

2.研究室の大きさは?

 大学設置基準には、研究室の大きさについての定義がありません。研究室の大きさを決めるにはどうすれば良いのでしょうか?

 下の分布図は、文科省のサイトから引っ張ってきた資料です。

 ※【今後の「大学像」の在り方に関する調査研究-校地・校舎】という報告書です。この資料は推奨すべき基準を示しているわけではなく、現状の調査結果の報告書となっていますので、ご注意くださいね。

 

大学の学部ごとの研究室の面積を示す分布図。人文学系は11.09㎡~23.78㎡

 この分布図からすると、人文学系の専任教員一人あたりの研究室の面積は、11㎡~24㎡くらいになります。

 (※このブログでは、大学の学部を人文学系に絞って「当たりを付けて」います。その辺の事情は、前回のブログで説明しています。)

 研究室の1室が、11㎡~24㎡。最少と最大は、2倍くらいの違いがあります。平均をとって17㎡くらい設定しておけば良いでしょうか?どうなんでしょうね?

 17㎡は大体10畳くらいの広さです。研究室は、教授にとっては、研究に没頭するためのスペースです。いわば個人オフィスですよね。「しつらえ」としては、机に椅子、大量の本が収納できる本棚、来客や打ち合わせのためのスペースも必要です。10畳だと、少し手狭のようにも思えます。もう少し大きめの12畳くらい欲しいですよね。そうすると20㎡になります。

 研究室の1室の面積は、20㎡くらに設定しておけば、支障がないように思います。

 

 さて、研究室の1室の面積は、あたりをつけることができました。次は、いくつ用意しておくべきなのか?について考えていかなければなりません。

 これについては、すでに過去のブログで、触れています。13~16室です。

 繰り返しになりますが、これは人文学系の学部に限った話になりますので、ご注意くださいね。

3.プランニング時のボリューム感

 研究室のボリューム感は、どのくらいになるのでしょうか?

・1室→20㎡程度

・13~16室

単純に掛け算をすると、260㎡~320㎡になります。

配置は、どのように考えれば良いでしょうか?

大学の建物を主に利用するのは、学生と教員になります。人数は学生の方が圧倒的に多いです。利用者の移動距離を考えれば、数の多い学生は、1階~2階にして、教員は3階を利用して頂いた方がよさそうです。

それに、1階は一般の方も出入りする機会があるでしょうから、セキュリティー上、研究室は1階から遠ざけるべきかなと思います。そういった意味でも3階に配置するのが、自然かな~と、わたしは思います。

余談ですが、大学教員のご自身の日常をつづったブログを見つけました。毒舌が楽しいブログです。

ちょっとした空き時間にでも、ぜひ覗いてみてください!

実際の利用者に親近感をもつことで、プランニングが楽しくなりますよ~。

 

 

次回は、共同研究室と、講師控室についてです。大学には、学生と教授以外にも利用者がいます。その人達にも、居場所を作ってあげなくちゃいけません。

それでは、また。