STEP1 ニーズ調査独学

ニーズ⑨ R6製図「大学」要求室の大きさ 共同研究室と講師控室編

 

ごぶごぶ
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今回は、共同研究室と講師控室の大きさを決めます

1.共同研究室とは

 共同研究室とは、どんな要求室なのでしょうか?

 大学で共同研究室と呼ばれてるものについて調べてみました。下記に挙げるように、多様な使用用途があり、決まった定義はありません。

 ①企業と連携して研究する(産学連携)

 ②理系学生たちのラボ

 ③学生たちが自習や休憩するフリースペース

 ④大学院生の研究

 このなかで、個人的に注目したのは、④です。

 大学生のほとんどは卒業後就職し新社会人となりますが、一部は大学院へと進みます。大学生は講義室やゼミ室などに、教員は研究室などに居る場所がありますが、大学院生はどこに所在を置けば良いのでしょう?

 大学院生の人数は少ないです。少ないからと言って、所在の置き場がないのは困ります。彼らのための研究スペースは必ず用意してあげるべきだと思います。

 上記にあげた①~④の使用用途のうち、切実に必要となるのは、大学院生が研究するための共同研究室です。他の使用用途は、あったら良いけど、なくても困りません。そういった意味では、製図試験で要求される共同研究室とは、大学院生が共同で使用するという意味の「共同研究室」なのかな~と、わたしは思います。

2.講師控室とは

 「講師」には、2つの意味があります。「大学講師」と「講師」です。

 大学講師は、教授や准教授に準ずるポジションです。就業形態としては常勤・非常勤があります。これらの講師の方が、個人研究室なのか、共同研究室に所属するのかは、大学によりけりなので、なんとも言えません。

 また、講演会や講習会で講義をする方も「講師」と呼びますよね。この場合の「講師」は先に言った「大学講師」とは、全然意味が違ってきます。

 例えば、一般向けの講演会を開くにあたって、大学の講義室で「講師」を招いて講演を行う、なんてことはよくありそうな話です。

 講師控室は、「講師」のための部屋か?「大学講師」のための部屋か?、悩ましいですね。皆さんはどう思いますか?

 わたしは、講師控室の「控室」というニュアンスから、どちらかというと「講師」のための部屋かな~と思います。絶対とは言い切れません。なので、本試験当日の問題の文章から推測して決めてくださいね。

 講師には、「大学講師」と「講師」の2つの意味があること知ってるかいないかで、大きな違いがあります。2つの講師の意味をごちゃ混ぜにしてしまうと、「講師控室」を検討違いの場所に配置して、減点されてしまうかもしれませんしね。ちゃんと区別して、間違えないよう、気を付けましょう~。

3.共同研究室の大きさは?

 共同研究室の大きさは、どのくらいにすれば良いのでしょうか?

 大きさを知るには、共同研究室に大学院生が何名在籍するのかを、調べる必要があります。文科省から出ている資料を使って、見ていきましょう~。

 予備知識として知っておいて欲しいのですが、大学は卒業すると学士が与えられます。一般的には、大学院に進学すると、2年で修士を、さらに3年で博士を取得することができます。これを踏まえて、下のように計算してみましょう。

 

 修士課程の大学院生=学士x進学率x2年

 博士課程の大学院生=修士x進学率x3年

 大学院生の人数=修士課程の大学院生+博士課程の大学院生

 では、まずは修士課程の大学院生を計算します。学士の母数は、80~100名とします。進学率は下のグラフの人文学系を読み取ります。(学士の母数や人文学系の根拠はこちらのブログを参照してくださいね。)

 そうすると、修士課程の大学院生は、80~100名x4.7%=3.76~4.7名 になります。

文科省の資料
学士課程からの進学率

 次に博士課程の大学院生を計算します。同様に進学率は下のグラフから読み取ります。

博士課程の大学院生の人数は、修士課程3.76~4.7名x18.3%=0.69~0.86名となります。

文科省の資料
修士課程からの進学率

修士課程の大学院生は3.76~4.7名、博士課程の大学院生は0.69~0.86名、これにそれぞれの課程年数を掛けます。

 修士課程の大学院生=3.76~4.7x2年 =7.52~9.4

 博士課程の大学院生=0.69~0.86x3年=2.07~2.58

それぞれを足し合わせれば、大学院生の人数がでます。

 大学院生の人数=7.52~9.4+2.07~2.58=9.59~11.98 → 10~12名

ということで、共同研究室の大学院生の人数は10~12名になりました。

 共同研究室には、10~12名が所属するのが分かったので、あとは1人あたり何㎡を用意してあげるべきなのかを設定すれば、最終的なおおきさが分かります。

 1人あたり何㎡必要なのでしょうか?

 悩ましいところですね。何を研究するかによっては全然違ってきそうです。理学系か?医療系か?実験器具等を置くのか?

このブログでは、学部を人文学系に絞って「当たりを付けている」ので、実験器具等は必要なさそうです。普通のオフィスのイメージが近いと思います。ですので、4㎡/人としておくのが妥当かと思います。

 共同研究室の大きさ → 10~20人 x 4㎡/人 → 40㎡~80㎡ 

4.講師控室の大きさは?

 講師控室の大きさは、どのくらいにすればいいんでしょうか?

 6~8畳くらいで、良いのではないでしょうか? 講演会等の前に、ちょっとくつろぐための場所ですよね?

「しつらえ」としては、ソファにローテーブル、貴重品を入れるロッカーなどもあるかもしれません。10㎡~14㎡あれば、そんなに講師の方に対して失礼な狭さではないように思います。3畳とかだったら、牢屋ですか?って感じですが、、、。

5.プランニング時のボリューム感

 共同研究室の大きさは、40~80㎡

 講師控室の大きさは、10~14㎡

 そこまで大きなボリューム感があるわけではないので、なんとか、どこかに詰め込めそうですね。

 共同研究室は、教授の研究室と同じフロアにグルーピングして配置すれば、間違いなさそうです。

 講師控室については、講演会を行う講師が使用する要求室なので、講演を行う大講義室のそばに配置するのが普通でしょう。

 過去ブログでは、講義室、演習室、実験・実習・実技、研究室を見てきました。今回は、共同研究室と講師控室を考えてみました。残りラストは、交流スペースです。良かったら、次のブログも覗いてみてくださいね。